斯道文庫について

斯道文庫は1938年、麻生商店社長麻生太賀吉氏が福岡市に設立した財団法人がその前身です。
日本精神文化の研究を目的として典籍蒐集に力を注ぐ一方、研究および普及活動などを行いましたが、45年6月の空襲で設備は焼失、蔵書は被害を免れたものの翌年解散に至りました。
その後、1951年、九州大学図書館に旧文庫蔵書および麻生家蔵書が寄託され、契約満了を迎えた58年、慶應義塾に旧文庫蔵書の寄贈、麻生家蔵書の寄託が行われました。
これを核として人員・設備を整え、60年、慶應義塾大学斯道文庫が創設されます(62年に慶應義塾大学附属研究所斯道文庫と改称)。

ここからは、日本及び東洋の古典に関する資料の蒐集保管ならびにその調査研究を目的とする研究所として再出発し、原本の購入・寄贈・寄託のみならず、全国各地あるいは海外所蔵の古典籍の調査およびマイクロフィルムによる蒐集を早くから行うなど、資料の充実を図ってきました。
2008(平成20)年には「教育」を設置目的に加え、大学院・学部の講座、大学院生の研究嘱託採用、日本学術振興会特別研究員の受け入れも行っています。

2010年には開設50周年記念展覧会「書誌学展」を開催、その図録を『図書書誌学 古典籍を学ぶ』(勉誠出版)と題して刊行しました。